
テクニカルツール使い分けていますか?
今回はテクニカル分析に苦手意識がある人でも、実践的なテクニカル分析が出来る内容にまとめました。
上から順番にちゃんと読み進めて貰えれば最低限のテクニカル分析はできるようになるはずです。
テクニカル分析はトレーダーにとって必須スキルです。
これは、自分の利益を生むための知識であり武器となります。
ほとんどの人がネットや書籍などからテクニカル分析を独学し、実際のチャートに当てはめながら手探り状態でトレードチャンスを伺っていることかと思いますが、使いどころや判断に悩む場面があるはずです。
テクニカル分析と言っても多種多様な分析ツールが多く提供されており、正直どれを使えばいいのか混乱する場面も多いのではないでしょうか?
適材適所でテクニカルツールを使い分け、相場をシンプルに読み解く力を付けるためにご活用下さい。
まず最初に環境認識

環境認識とは何なのか。
言葉の意味から考えれば自分が置かれている環境を認識する事です。
環境認識は登山に例えると分かりやすいかも知れません。
登山をする場合、事前に山の情報を調べます。
全体の情報として標高・道のり・休憩ポイント、危険予知として天候や野生動物の目撃情報などが考えられます。
状況に応じて食料や道具なども準備します。
日常で考えるのなら天気予報が分かりやすいですね。
今日の天気は把握していますし、週間天気だって簡単に調べられます。
雨予報なら傘を持って出かけます。
どうして事前に調べて用意するのか?
不測の事態に巻き込まれないようにするためです。
当たり前の事ですね。
相場の世界でもこれと同じような事を行います。
それが環境認識です。
さらに、相場の世界は今日がどんな状況になるのかが分かりにくいです。
穏やかな小春日和なのか嵐なのか誰も知りません。
ゲリラ豪雨のようにいきなり荒れることだって少なくありません。
もっと言うと、足を一歩踏み入れた先が海なのか山なのか崖なのかすら分かりません。
その様な状況で適当なインジケーターを表示させたり、闇雲にラインを引いてもあまり意味はありません。
テクニカル分析は相場の環境を認識するために必要なスキルです。
トレードをするための事前準備みたいなものです。
環境認識を行わず失敗しやすいケースで考える
ドル円1時間足チャートですが、どう見えますか?
これだけ見ていると、まだ上昇するように見えるチャートに見えます。

この先の展開はこうなります。

このとき上位足ではどういう状態だったのかを見てみます。
画像は週足になります。

今の状況を客観的に週足レベルで見ると、直近の上昇トレンドの流れは崩れているので、トレンドが切り替わって下落トレンドが始まろうとしている状況です。
つまり、下落の流れが作られやすい状況だという事です。
この事を事前に把握しておけば、高値圏での買い注文は入れにくいはずで、高値圏での売りが主戦略になるかと思います。
1時間足で上昇トレンドだからといって安易に買い注文を出すのは自殺行為だということです。
どうして環境認識が必要か
例えば15分足の値動きは1時間足に含まれているように、下位足は上位足に包括されています。
上位足での状況次第で変動する可能性が高い以上、上位足の状況をザックリでも良いので把握しておいて損はありません。
ここで言う状況次第というのは、上位足でサポレジにタッチしていたり、トレンドラインにタッチしていたりする様な状況です。
ここまで読んで頂けたのであれば、上位の状況を知らずトレードすることは危険だということがお分かり頂けているかと思います。
危険や方向性を察知するため、急変動に備えるための環境認識です。
少しでも勝率改善に繋がれば幸いです。
どうやって環境認識を行うか
先ほどの様に大きい時間足で流れを把握することが大事です。
小さい時間軸のチャートだけで判断すると目先の値動きに振り回されてしまいやすいからです。
環境認識を行ったからといって勝てるようになるわけではありませんが、主戦略を考える上で方向性の把握は必要だと考えられます。
では、どうやって環境認識を行うのかを次の画像をベースに説明していきます。

ブロックで可視化する
相場の方向性を知るためには今の流れを把握する必要がありますので、流れ部分をブロックで囲んで可視化します。

黄色枠が約5年間の下落トレンド。
赤枠部分が約半年の上昇トレンド。
上の白線が高値と高値を結んだライン、下の白線が安値と安値を結んだライン。
ダウ理論の高値と安値の切り下げで考えると、直近部分でその法則は崩れているので厳密に言えば下落トレンドでも上昇トレンドでもありません。
サポートレジスタンスをチェックする
サポートラインは意味があると思われる安値に引き、レジスタンスラインは意味のあると思われる高値に引きます。
反転した箇所には何かしら意味がありますので、そのライン付近での攻防線は反発で考えるのが基本です。
いずれ突破されるかもラインになるかも知れませんが、数回は機能するラインとなりやすいからです。

画像では、価格がサポートレジスタンスから離れているため、注視する必要が特にありませんが、どちらかのラインに近づいた場合は注意が必要です。
フィボナッチを意識する
フィボナッチは好き嫌いがあるかと思いますが、個人的には重視している指標です。
例えば今のドル円の場合はこんな感じです。

リトレースメントはその流れの戻りを予測する為のツールでMTF4に標準搭載されている機能です。
使い方は簡単で、この画像では始点を安値・終点を高値で結んだだけのフィボナッチリトレースメントです。
38.2%と61.8%が重要視されるポイントで、このライン付近が抵抗帯となる事が非常に多いです。
61.8%は到達していませんが、38.2%は何回も突き抜かれては戻されてを繰り返しています。
具体的にトレードをするためにはどうすれば良いのか
前提として今からエントリーするポジションをどれくらいの期間保有するかのイメージを持って下さい。
数時間、数日、数ヶ月、トレードスタイルによって様々です。
トレードする期間によっては環境認識で得られる情報も変わってくるはずです。
そして、環境認識を行う。
どういう状況になっているのかをまず確認する。
そしてエントリーの方向を決める。
そして初めて移動平均線やRSIの様なテクニカルツールでエントリーのタイミングを合わせます。
相場をシンプルに考えるとたったこれだけの作業なんですよね。
環境認識で流れを掴んで、テクニカルツールでタイミングを合わせる。
他のペアを見ることも大事だと思いますが、得る情報が多ければ多いほど混乱し判断に悩みます。
慣れない間は一つのペアだけで充分だと思います。
また、相場は24時間動いていますが、実はエントリーチャンスはそれ程多くありません。
チャンスに見えているそのチャートも上位足で見ればなんてことの無い場面だったりするからです。
上位足でチャンスと判断し、下位足でタイミングを合わせるイメージですかね。
ツールを使い分ける
トレンドラインやチャネルなど環境認識で使うツール。
タイミングを合わせるためのオシレーターやMACDなどのツール。
全ての時間軸で有効に機能するわけではありません。
適材適所で使い分けが必要なんです。
日足でストキャスのようなオシレーターを使ってエントリーチャンスは計れませんし、5分足の移動平均線だけでトレンドは計れません。
トレンドを見るためには上位足で環境認識を行うのが一番です。
エントリータイミングを合わせるツール、環境認識をするためのツール。
役割がハッキリと分かれています。
全ての混在して考えるから複雑になるのだと思いますし、一つのチャートで全ての情報を判断する事は出来ません。
ツールの使い分け、時間軸の使い分け、適材適所にツールを使ってみて下さい。