
チャートがこの先推移していく「方向」を知ることが出来れば勝率は格段に上がります。
推移する方向に合わせて押し目買いや戻り売りで追従出来るからです。
しかし、この先どう推移するのかなんて分かるのであれば、相場をしている人全員が億万長者になっています。
では、相場の未来を知ることは不可能なのでしょうか?
自分の結論としては「一定の法則性に従い今の方向性や状況は把握できる」です。
この先の動きを予測できればシナリオを建てられます。
シナリオがあれば戦略も建てられます。
今回は、環境認識についてお話ししようと思います。
環境認識とは
まず、環境認識の定義を明確にしておきます。
簡単に言うと、環境認識は全体の流れを把握するために必要な作業の事です。
例えば、大阪から東京に移動するときの事を考えてください。
次の画像は大阪から東京へのルートをGoogleMapで検索したものになりますが、全体の流れを把握するにはこのようなイメージをすると思います。

全体のイメージとしては西から東へ移動するんだなと分かるはずです。
全体を確認する際に、何号線を走るとか、合流するなどの細かい情報は不要です。
走行するエリアによっては北を向いたり南を向いたりその都度進行方向は変わりますが、最初に確認した全体イメージへの方向は変わりません。
細かい情報はその近辺を走行する時に確認すれば良いだけですからね。
これと同じ事をFXでも行います。
全体が確認出来る時間軸を使って全体の流れを確認します。
それが環境認識です。
迷子にならないための環境認識です。
環境認識を行うデバイス
通常MT4などのアプリを通じてチャートをチェックしている事と思いますが、スマホ版のMT4を使う場合には注意が必要です。
縦向きと横向きで得られる情報量が全く違います。
次の画像は同じペアをスマホの縦向きと横向きで表示したものですが、得られる情報量が全く違います。

環境認識は全体の流れを確認するために行う作業です。
縦表示ですと表示される期間が短く全体が確認出来ません。
環境認識を行う際は、できるだけPCで行います。
スマホを使う場合は横向き表示で行って下さい。
環境認識を行う作業自体が無駄になってしまいますので。
環境認識に最適な時間軸
全体を確認するためには日足以上の時間軸で確認するようにしてください。
日足よりも週足、週足よりも月足の方が精度が高まりますが、動きを捉えやすいと思う時間軸を採用してください。
日足、週足、月足チャートを見てみるとそれぞれ印象が異なります。
どのチャートも同じ通貨で、表示する時間足を変えただけではありますが、高値安値圏など価格の位置関係やラインの角度によって、買い場なのか売り場なのかそれとも様子見する様な状況なのか印章がガラッと変わります。
今見ているチャートで買い場に見えても、上位の時間軸では売り場に見えたりしますので、これらの時間軸チャートには目を通しておいた方が無難です。
環境認識の方法
チャートの形状や位置関係を確認するために、ラインを引いたりして形状を視覚化して環境認識を行います。
ちなみに何が正解という答えはありません。
人によってチャートの見え方は変わるものですし、引くラインの場所も違ったりします。
最初から100点満点のラインなんて引けるわけがありませんので、自分で法則性を見つけだし、それを繰り返し反復することで精度を高めるしかありません。
環境認識を行う方法はいくつかありますので、まずは自分でラインを引いて意味のあるラインを探し出してください。
トレンドライン
トレンドの方向や拡大縮小関係、ライン付近での反発を見つけるためにトレンドラインを使います。
チャネル
トレンドの方向やレンジ幅、位置関係を把握するためにチャネルを使います。
サポートレジスタンス
反発しやすいポイントを把握するためにサポートレジスタンスラインを使います。
フィボナッチリトレースメント
トレンドの押し戻りを把握するためにリトレースメントを使います。
シナリオを建てるときの考え方
テクニカル分析を行っていると、結局どっちの方向に進むのかが分からなくなる事がよくあります。
自分で引いたラインが信じられない時も多いでしょう。
相場はランダムに動いている様に見えて、法則性を持って動いている事が多いので、その法則性を見つけることがトレードする上で大事になってきます。
次のトレードで失敗したくないのであれば、大きい時間足の情報を優先で考える方が無難です。
例えば、先ほどドル円の画像を例に出しましたが、月足的に考えるとドル円はこう考えられます。
- トレンドライン:少し上抜けだが戻り掛けている
- チャネル:下落チャネル
- サポートレジスタンス:レジスタンスライン付近
- フィボナッチリトレースメント:61.8%付近
多数決で考えると、上昇派はトレンドライン一票のみで、残りは下降派三票となります。
月足の情報を総合的に考えると、トレンドラインが上抜けてリトレースメントの61.8%がとレジスタンスラインが少し上にある状況で下落基調の状態です。
つまり、月足的には一旦上昇するもののその先下落となる可能性が高いので、できるだけ高値まで引きつけてから売る戦略が鉄板では無いかと考える事が出来ます。
具体的にはリトレースメント61.8%付近での指値売りですかね。
月足での情報で判断が付かない場合は週足、日足とブレイクダウンして考えても良いです。
その分析が正解なのかはわかりません。
しかし、考えられるシナリオを幾つか用意しておいて、総合的に考えるのが戦略というものです。
環境認識から得られる情報は非常に有用です。
是非ご活用下さい。